SDレビュー2025 入選のお知らせ
AWARD / 2025.08.01
再生建築研究所が設計を進めている群馬県の廃墟再生プロジェクトがSDレビュー2025に入選いたしました。
この場を借りて、関係者のみなさまに感謝申し上げます。9月に東京、10月に京都会場で入選展も開催されますので、ぜひお越しください。

廃墟の上棟
―群馬県の廃墟再生プロジェクト―
産官学金の取り組みの一環として2022年からエリア再生に関わる中の試み。かつての繁栄とともに、無作為に増殖し続けた建築。日本の地方温泉地には、そうした巨大な廃墟が今も点在する。高度経済成長と人間中心の価値観が支配していた時代、この温泉街でも、自然と町のあいだに擁壁のような建築が築かれた。もとは1棟600㎡だった建築は、やがて7棟18,000㎡へと膨れ上がり、誰にも扱えぬ存在となり、廃墟化した。私たちはまず、この巨大建築の骨格を見直すことに挑んだ。最大7層あった棟たちを、場所に応じて1層-5層まで減築し、70年ぶりに山の風景や川音、SLの汽笛を町に取り戻す。連なり続けた構造の履歴を読み解き、切り離す場所と残す場所を見極めながら、壁のようだった建築を、環境と町をつなぐ装置へと読み替える。風景との関係性、光や風の取り込み方、訪れる人々、そして今の社会やまちの在り方を考察しなが再構築していく。町広場、大階段、ホテル、銭湯。廃墟に新たな温度を灯しながら、次の時代へのつなぎ方を模索する廃墟の上棟の試みである。
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SDレビューとは
SDレビューは、実際に「建てる」という厳しい現実の中で、設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというものです。実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実現作を募集します。1982年、建築家・槇文彦氏の発案のもとに第1回目が開催され、以降毎年「建築・環境・インテリアのドローイングと模型」の展覧会とその誌上発表を行っております。
SDレビューとは・SDレビュー|鹿島出版会
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