WORKS

(仮称)港区住宅再生計画

住宅を長屋に更新

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(仮称)港区住宅再生計画

住宅を長屋に更新

東京都心の閑静な高級住宅街にある、築45年のRC造の戸建住宅の再生計画である。 オーナーは、夫婦と子ども4人で暮らしていたが、子どもの独立を契機に老後を過ごす住宅を計画していた。 当初、建て替えを考えていたが高度地区等の集団規定が施行される前に建築され、増改築を重ねられた既存不適格建築であるため、現行基準が適用される新築では建てることができないヴォリュームであり、南に面した広い中庭をもっている。 さらに, 街の景観でもある天然大谷石の擁壁を維持することも考え、既存建物を再生する方針をとった。 また、独立した子どもたちが帰ってきた際、再び一緒に住まえるように戸建住宅を長屋として再生することにした。

本計画では、改修の際に求められる一般的な与件である「構造の補強」と「設備の更新」という2つの普遍的な与件を手がかりとし、インテリアにとどまる改修ではなく、既存のRC ラーメン構造という強い形式を相対化しつつ、空間的に更新することを試みている。

 

既存建物は旧耐震建築物であり、設備も陳腐化していた. 一方で、時代や法の変遷をくぐり抜け、生まれた量塊は制御不能な歴史の積層である。 そこで、既存建物そのものを編集するのではなく、構造の補強と設備の更新により、RC ラーメン構造の躯体を拡張可能な形式として読み替えることを目指した。

Credit|撮影:堀田貞雄

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