WORKS
品川ビル再生計画
事務所から保育所への用途変更
WORKS
品川ビル再生計画
事務所から保育所への用途変更
竣工:
-
規模:
RC造
延床面積:
1985.51㎡
用途:
保育所
東京・品川の築45年以上のビルの再生計画である。
既存建物は地下1階地上5階建て、延べ床面積約2000㎡の旧耐震基準時建築されたRC造のビルであった。
オフィスビルから1階、2階の保育所を中心とした、キッズステーションへとコンバージョンする。
既存建物の容積が既存不適格であり、新築を行なうと床面積が半減してしまうという状況であった。そこで既存建物の容積を活かした計画を行なうことを提案した。
都市型の保育所を実現
階段を自由に使用できる空間とすることで、屋上を園庭としてり利用することができ、都市型の保育所を実現する。3-5階に育児のための場所を設け、また大きなテラスへの開放性、連続性を損なわない耐震補強計画。
再生に合わせて設備を更新する。階段を自由に使用できる空間とすることで、屋上を園庭としてり利用することができ、都市型の保育所を実現する。3-5階に育児のための場所を設け、また大きなテラスへの開放性、連続性を損なわない耐震補強計画。再生に合わせて設備を更新する。
超用途空間の発見
キッズステーションとして計画するにあたり、都心の中の子どものための場所として建物全体を読み直すことが求められた。容積が既存不適格のビルで建替えると容積が半減する。それゆえ既存建物は潜在的に余剰の床面積を持つことになる。その状況を逆手に取り、道路に面する南側の部分をテラスとし、子どものための公園のような場所を生み出す。
さらにテラスにすることで各階の居室面積を200㎡以内に抑え、必要な避難階段を1カ所に抑え、2カ所あった避難階段の内1カ所を居室にすることが可能となる。居室となった階段室空間を巨大なジャングルジムと見立て、街と各階の公園のようなテラスを垂直方向につないでいく。
商業ビルというビルディングタイプの典型的な偏心コアの階段室型ビルであり、南側の道路面に階段室が面していた。対極側に屋外鉄骨階段が配置され、2つの直通階段が設けられていた。
しかし、本計画では、用途の変更にあたり、既存階段室は蹴上げ、踏面、幅員等、是正が必要な状況となっていた。階段室の是正には大規模な工事が発生し、大きなコストがかかってくることで事業的には厳しい状況であった。
潜在レンタブル比により、事業的には過剰床の活用を目指すことが可能となり、既存建物のフロア毎の道路に面した部分にテラスを設けることで、居室の延床面積を200m²以下に抑えることができた。そのことで、2つ直通階段が不要となり、既存階段室は「避難設備」という本来の用途が不要となった。本来の用途が不要となった「避難階段」は「居室」として扱うことのできるため、ゆとりある不思議な「超用途空間」として機能する。
Credit|模型写真 堀田貞夫