WORKS

アマネク別府ゆらり

街に繋がるスケール

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アマネク別府ゆらり

街に繋がるスケール

別府エリア再生プロジェクトの心臓部である別府駅前の新築ホテル,アマネク別府ゆらり(以下,本館).フットプリントを極力小さくし,191室の客室数を確保するのに最適なグリットフレームとした.将来の内装更新も可能な客室部が合理的に積み重ねられたメガフレーム上に,温泉と温泉プールというリゾートのメインコンテンツを持ち上げて非日常を演出した.1,200mm角のメガフレームの柱が設置する地上レベルでは,周辺施設を接続するための低層棟を増築するように設置.配置計画においては,南北にホテルとしてのシンメトリーなエントランス軸を通すことで街の流れに位置することを意識しながら,駅と道路と公園を繋ぐ偶発的な東西の軸をつくった.本館,別館(アマネクイン別府)共通のメインエントランスとして南側に引きを取り緑地を設けることで,ふたつのホテルの顔をつくりながら,街に開かれた建ち方とした.

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現地に事務所分室を置き、街のリサーチとスケールの採集を行った。

別府は戦火を受けなかったこともあり戦前から続く看板建築や木造建築群が多数立ち並ぶレトロチックな怪しい雰囲気が漂う街でもある。

住民により増改築が繰り返される家々や暗渠化した水路沿いをなぞるように建つ建物、かつて栄えた花柳街の名残が残る通りなど、いくつかの要素がごった煮されているような、さながら闇鍋的な街でもある。

私達再生建築研究所が別府に滞在する中で見聞きしている様々な街の機微は、一見するとなんでもないものが多いだろう。

しかしそに確かにある、もしくはあった現象を記録するために”再生ジャーナル”の制作を行った。

別府の上と下という言葉がある。端的に言ってしまえば地域を二分する際に用いられる言葉であり、別府の上といったときに指し示されるのが山側で、下といった際に指し示されるのは海側である。

その線引きは大正12 年にできた日豊線が境とされ、北浜や浜脇などのエリアは一般的に庶民文化が栄える下であり、別府公園などがあるエリアは別荘地があった関係から上と呼ばれた。 地形に高低差がある場合、レベルが高いところに不動産的価値を見出すような土地認識は全国的にあるものだが、別府でもそのような土地の解像度が再確認できる。

 

街を歩いていると目に飛び込んでくる、一階の風景。

鉄骨を組みガレージ化する家や、元々ガレージだった部分を物置として使用するものなど、はたまたあけっぴろげな一階部分が洗濯物干しとなり道沿いから丸見えになるものまで、多種多様な使いこなしがある。 そのような状態が生み出す気持ちよさや居心地の良さなど確かに感じる別府の大らかさを、列挙することで新しい別府の見方ができるのではないだろうか。

ホテルで夕食を提供せず,地域の飲食店がこのホテルのレストランとなる仕組み「HEYAZUKE」を開発した.

一部の店舗はホテルのルームキーで決済でき,ホテルで支払うことができる.

約500人の宿泊者が地域に溢れ,利益を生み出すこととなる.

南北にホテルとしてのシンメトリーなエントランス軸を通すことで街の流れに位置することを意識しながら,駅と道路と公園を繋ぐ偶発的な東西の軸をつくった.

本館,別館(アマネクイン別府)共通のメインエントランスとして南側に引きを取り緑地を設けることで,ふたつのホテルの顔をつくりながら,街に開かれた建ち方とした.

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敷地の中には街の様相を取り入れた一見無用なオブジェクトたちが広がり、ホテル利用者だけでなく、地域の住民が新たに行き交う場所となっている。

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様々なスケールが同列するラウンジ空間

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街から一階ラウンジ、客室へと一貫して、別府の雰囲気を取り込んでいる。

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最上部に別府を見渡せる温泉や温泉インフィニティプールという,街とホテルのメインコンテンツを設けた。

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オープン記念 テープカット式

 

 

竣工後のラウンジにて日本舞踊のイベント

 

CREDIT
撮影:Anna Nagai|TOP,01-11

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