WORKS

LARK YOYOGI

不動産価値としてのインフォーマルな外部空間

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LARK YOYOGI

不動産価値としてのインフォーマルな外部空間

代々木に建つ、地上8 階地下1 階のオフィスビル再生計画。既存建築は1973 年、高度経済成長の終期に建てられた現行法では建てられない床面積を持つ既存不適格建築である。既存不適格とは、旧規定の基準で合法的に建てられた建築であり、その後の法令の改正や都市計画変更などにより、現行法に対して不適格な部分が生じた建築のことをいう。現行法の緩和事項で、容積や高さ等のいくつかの事項は既存不適格を維持することができるものとされており、このメリットを生かし既存ボリュームの不動産価値を維持しながら、違法部分の是正, 耐震補強などを行い、建築構成をも変えていく計画である。肥満ともいえる建築に対して、塔屋のカットやピロティ化、吹き抜け化などいくつかの減築ボキャブラリーを適切に当てはめるだけにデザインの注力を行い、新築では得られない余剰の外部空間や吹き抜けを持つポーラスな建築形式が心地よい風が抜ける働く場を生む。余剰の外部空間が慣習的な都市のオフィスにはないインフォーマルな構成と更新を許容する空間となり、様々な働き方が選択できる現代において、記号化される以前のフレキシビリティ考えることでこれからの時代に合った建築ストックをつくっていけると考えている。

減築により生まれる余剰空間イメージ

既存上層バルコニー 既存不適格により周辺より高さがあり、景色が良いことが伺える

既存基準階内観 広さを有しながら、暗く閉ざされている

既存8階内観 3方に抜けがあるフロアであった

容積や高さ等のいくつかの既存不適格のメリットを生かし、新築では建てられない床面積という不動産価値を維持しながら、違法部分の是正, 耐震補強などを行い、働きやすいオフィスへ改修する

既存地階空間 外気が当たらず、湿気が多いじめじめとした空間であった

改修後地階オフィス 減築によりドライエリア化 光が入る天高が高い空間へ

改修後上階オフィス 吹抜けを設け減築 2層のバルコニーと繋がるオフィスへ

既存外観 仕上げの劣化が進んでいた

改修後エントランス 是正のための外部化とともに、広い共用部を有するオフィスへ

 

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